前回の記事では順行ウォーブリングと逆行ウォーブリングの特徴やメリット・デメリットについて書きました。
その中で順行のみでは3音以上の連続上昇・連続下降の音形が厳しいと書きましたが、実は、上手くウォーブリングを組み合わせることによってそれが可能となる場合もあります。
この動画をご覧ください
なぜ複数のウォーブリングを組み合わすことで順行連続上昇・連続下降が可能となるのか?それを知るためには各ウォーブリングの舌の着離と音高変化の関係について理解しなくてはなりません。
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舌の着離と音高変化の関係
ウォーブリングを順行で行う場合、下唇系舌ウォーブリングと上顎系舌ウォーブリングとでは舌の着離と音高変化の関係が逆になります。
下唇系舌ウォーブリングでは、舌を着けると音高が高く変化し、舌を離すと音高が低く変化します。
それに対して上顎系舌ウォーブリングでは、舌を着けると音高が低く変化し、舌を離すと音高が高く変化します。
このおかけで動画解説にあるように順行のみで3音連続上昇・連続下降が可能になります。また、ブレスウォーブリングを組み合わせることによってさらに1or2音連続上昇・連続下降ができます。
口笛は今、ここまで進化しています
どうか、覚えてて欲しい
今回、順行3音以上の連続上昇・連続下降について、ご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?ここまで記事を読んでくれた方は相当な口笛ファンだと思います!実際、口笛ってすげーってなりませんでしたか?ここで最後に皆さんに知って欲しいことがあります。
このもの凄い技はもともと誰かがやっていたのではなく、口笛音楽理論の構築によって開発されたものなんです!私や口笛奏者のtakedaさん、くちぶえ村の村長さん、中村さん、石川さんなどによる定義付け・奏法の体系化などの議論があり、口笛仲間どうし情報交換を惜しまなかった。だからこそ生まれた技なのです。今でこそ青柳さんがこのテクニックを使用して完成度の高い音楽表現として披露していますが、もともとはこの世にはない奏法だったのです。
数々の楽器が何百年という年月をかけて進化してきたのに対し、口笛は今、急速に進化しています。これから先も、より進化した口笛を披露する名プレイヤーたちがどんどん出てくるでしょう。でもその背景まで知って欲しい。音楽としての口笛の発展には理論の構築が必要不可欠であり、そして、理論の構築に必死で取り組んでいる熱意ある者ものたちが必ずいるのです。このことをどうか覚えててほしいです。