ウォーブリング奏法とは

ウォーブリング奏法とは一続きの息の流れの中で口笛の音を切れ目なく瞬間的に切り替える奏法ことです。

リコーダーの音孔(音の高さを変えるあな)を塞いだり開いたりしたときに聞こえるようなピロピロピロという音色が特徴的です。

ウォーブリング奏法の名前の由来は英語のwarble (鳥などが)さえずる様子からであるとされています。

口笛でなく、「釣り業界」にもウォーブリングというテクニックがあるようですが全く別物です。

ウォーブリング奏法は、舌ウォーブリングとブレスウォーブリングの2つに大きく分けることができます。その他、ウォーブリングの順行や逆行、複数種ウォーブリングの組み合わせなど、様々な理論も構築されています。

上あご系舌ウォーブリング

上あご系舌ウォーブリングのやり方について説明します。かなり前の動画ですが、口笛奏者の武田さんにレクチャー動画を作成してもたっらものがあります。とても分かりやすいので、まずはこの動画をみてください。

上あご系舌ウォーブリングとは

上あご系舌ウォーブリングとは、舌を上あご(歯茎・硬口蓋)に着け離しすることによって音を変えるウォーブリングのことを指します。舌の着け離しに伴い、独特の音色(一部の口笛愛好家の中ではレロレロ音と表現されている)が発生する。 運動性に優れていると言われており、逆行のウォーブリングも可能です。舌を着けると音高が低く変化し、舌を離すと音高が高く変化します。音高の変化は舌の動きと連動しており、リコーダーの音孔(穴)を押さたときのように 音が機械的に切り替わります。

上あご系舌ウォーブリングのやり方

上あご系舌ウォーブリング修得の順序を以下に示します。確認できたら早速練習してみましょう!

  • 1.舌を着けた状態で音が鳴らせる
  • 2.舌を離した状態で音が鳴らせる
  • 3.着けた状態・離した状態を交互に行いながら音が鳴らせる

上あご系舌ウォーブリングでは、舌を着けると舌を離すを交互に行います。

まず、声に出して「ライオン」と言ってみましょう。ライオンの「ラ」だけに注目してみると、「ラ」と声を発する瞬間、舌が上あごから離れていくのが体感できます。 これこそが上あご系舌ウォーブリングの舌の動きです。

ライオンのアタマ(「ラ」の前)に「ン」をつけて、「ンーーライオン」と声に出して言ってみましょう。次に「ンーーラーーンーーラーーンーー」と声に出して言ってみましょう。何度のも何度も声に出して練習してください。

さらに詳しく説明します。

舌を着けた状態

舌を着けた状態は、「ンーーラーーンーーラーーンーー」の「ン」にあたります。舌先が上あごに着いており、息は舌の両側に分かれていきます。これが上あご系舌ウォーブリングの舌を着けた状態です。この「ン」状態で口をすぼめ、音が出せるように練習してください。

舌を上顎に着けた状態

舌を離した状態

次に、舌を離した状態について説明します。舌を着けた状態は、「ンーーラーーンーーラーーンーー」の「ラ」にあたります。舌先は口腔内(口の中)のどこにも触れずに浮いた状態で、息は通常通りまっすぐ出ます。これが上あご系舌ウォーブリングの舌を離した状態です。この「ラ」状態で口をすぼめ、音が出せるように練習してください。

上顎系舌ウォーブリング、舌が浮いている状態

息づかいを意識し、舌を切り替える

舌の状態の確認ができたら、息づかいについて説明します。 ウォーブリング全体に共通して言えることですが、ウォーブリングをするときは息を出しっぱなしにする必要があります。ウォーブリングとは音を変える奏法です。 音が途切れてはウォーブリングにならないのです。練習するときは息が途切れないよう注意しましょう。

息づかいが確認できたら、舌を上下に動かしながら音を出してみましょう。舌を着けた状態と離した状態を交互に行うことで、音がピロピロと切り替わります。

上顎系舌ウォーブリングの動き

できましたか?

できない方は以下の点に気をつけて練習してください。

どうしても上手くいかない場合

  • 1.舌を着けた状態で音が出ていますか?
  • 2.舌を離した状態で音が出ていますか?(舌がしっかりと浮いた状態になっていますか?)
  • 3.音が途切れていませんか?(息は出しっぱなしです。)
  • 4.意識して音高を変えていませんか?(ウォーブリングでは音高が機械的に切り替わります。)
  • 5.あごや唇、舌奥の狭めなど、舌の前部分以外が動いていませんか?(動かすのは舌の付根より前の部分です)

たくさん試行錯誤してみて、どうしても上手くいかない場合は口笛無料オンラインレッスンをご活用ください。私が直接アドバイスします。

上あご系舌ウォーブリングの活用

上あご系舌ウォーブリングがある程度できるようになったら、ブレスアタックやスロートロックなどと組み合わせて、2つカタマリの音形を練習しましょう。特別講師のロンさんがレクチャーしてくれています。これができればチャルダッシュも演奏もできるようになりますよ!

 

タンギング

口笛におけるタンギングについて解説します。タンギングとは、舌で口笛の各音を区切り、出だしの音を明確にする奏法です。

言葉で「tututu」「kukuku」「lululu」と言うように、舌を用いて口笛の音にtやk、l(エル)などの子音を加えます。

タンギングのやり方

タンギングのやり方について、特別講師の青柳さんに解説していただきました!まずは上の動画をご視聴下さい。

舌を浮かせた状態で音が鳴る

舌ウォーブリングと同様に、タンギングでは舌を浮かせた状態で音が鳴らせる必要があります。下の図の状態で口笛の音が鳴るように練習してください。これができないと口笛のタンギングはできません。

舌を浮かせた状態

l(エル)のタンギング

特別講師の青柳さんが推奨している「l(エル)のタンギング」についてご紹介します。下の動画をみて下さい。徹子の部屋のテーマです。この曲を歌っていると、自然と「l(エル)のタンギング」の舌使いができるようになりますよ。
「るーるる、るるる、るーるる、るるる♪」
舌の着け離しは素早くソフトタッチで「る」と言いましょう!

楽しいでしょ?この舌使いで、口笛の音を出しながら音高がブレないように気をつけて練習してください。息を出しっぱなしにして練習すれば、サックスやトロンボーンなどでよく用いられるレガートタンギングも可能になりますよ!これで「l(エル)のタンギング」はバッチリですね!

t、kのタンギング

tやkの発音でも練習すれば十分タンギングとして利用できます。特別講師の武田さんに動画でレクチャーしていただきましたのでぜひご覧下さい。

下唇のタンギング

下唇系舌ウォーブリングに付随する子音(国際音声記号ではこれに相当する子音が存在しない)を使って、口笛の音を区切ることができます。下の動画を参考に練習してみてください。

※最新版は準備中

ダブルタンギング

速いパッセージを演奏するときなど管楽器ではダブルタンギングという奏法を用いますが、青柳さんもレクチャー動画で言っているように口笛ではあまりオススメできません。なぜなら「t」と「k」を交互に発音すると舌が大きく動いてしまい、音高が不安定になるからです。 詳しくは青柳さんのレクチャー動画をご覧下さい。

タンギングの達人

タンギングの達人LuckPillowさんのYoutube動画チャンネルをご紹介します。
LuckPillowさんのYoutube動画チャンネルはこちら!

口笛演奏でここまでタンギングにこだわり、使いこなしている方はあまりいません。そして、かなり発音が綺麗です!口笛でタンギングをやろうとしている方は絶対に演奏を聴いてみるべきだと思います!

タンギング=音を区切るではない

リコーダーなどの器楽のイメージからか、口笛の音を区切ることを総括してをタンギングと呼ぶ人がいます。しかし、これは間違いです。なぜなら、タンギングのタン(tongue)とは 「舌」という意味であり、 口笛には、舌を使わない音の区切り方が複数存在するからです。たとえば、のどで音を区切ることを「のどタンギング」と呼ぶ人がいますが、正しくは「スロートロ

タッピング奏法

口笛におけるタッピング奏法について説明します。※動画は作成中

タッピングとは

タッピングとは、指で唇を叩く(タップする)ことによって口笛の音を区切る奏法です。アパッチュア(唇によって形成される穴)を閉じて音を区切るため、原理は完全閉鎖系のリッピングと同じです。

タッピングのやり方

やり方はとても簡単!指で上唇を叩くだけです!通常は利き手の人差し指と中指で交互にタップします。 曲や奏者によっては、親指もしくは薬指を含めた3本でタップする方法、親指と薬指を含めた4本でタップする方法を用いる場合もあります。

タッピングの特徴・メリット

タッピングは音高変化のない連続した速いパッセージで力を発揮します。「トランペット吹きの休日」の口笛演奏でタッピングを用いる奏者が多いのはこのためです。

通常、口笛の音を区切る速度は指でタップする速度であり、音高の調節は口腔(主に舌)で行います。リズムと音高の調節が別々に行われるため、音高が変化するパッセージでのコントロールが難しいとされています。

タッピングの参考動画

くちぶえ君の口笛通信vol.6
「タッピング」で有名な口笛吹きのまっちょさんに突撃インタビュー

タッピングを使用するとこんな演奏もできちゃう!!

下唇系舌ウォーブリング

下唇系舌ウォーブリングのやり方について説明します。

※下唇系舌ウォーブリングに関する最新版は作成中です。旧動画はyoutubeで公開されています。

下唇系舌ウォーブリングとは

下唇系舌ウォーブリングとは、舌を下唇(下唇の内側)に着け離しすることによって音を変えるウォーブリングのことを指します。息の流れを邪魔しないため、比較的音がクリアだと言われており、 逆行のウォーブリングも可能です。舌を着けると音高が高く変化し、舌を離すと音高が低く変化します。音高の変化は舌の動きと連動しており、リコーダーの音孔(孔)を押さたときのように 音が機械的に切り替わります。

下唇系舌ウォーブリングのやり方

下唇系舌ウォーブリングでは、舌を着けると舌を離すを交互に行います

修得の順序を以下に示します。

  • 1.舌を着けた状態で音が鳴らせる
  • 2.舌を離した状態で音が鳴らせる
  • 3.着けた状態・離した状態を交互に行いながら音が鳴らせる

まずは舌を着けた状態の説明をします。

舌を着けた状態

まず、ティッシュペーパーを1枚用意してください。うすい2枚が一組(1枚)になっているティッシュを2つに分けます。 さらに、そのうちの1つを半分にし、丸めます。下唇系舌ウォーブリングの舌を着けた状態では、舌の下にこのくらいの空間(空気のカタマリ)をつくります。この空間を密閉するように(空気のカタマリを外に逃がさないように)、 舌先は下唇の内側に着け、舌の両側は頬の内側に着けます。これが下唇系舌ウォーブリングの舌を着けた状態です。この状態で音が出せるよう練習してください。

出来上がったティッシュの玉を口の中に入れてみてもかまいませんが、誤飲にはご注意ください。(事故があった場合、当サイトは責任を負いかねます。)

下唇系舌ウォーブリング、舌を着けた状態

舌を離した状態

次に、舌を離した状態について説明します。舌を離した状態は、先ほどの舌を着けた状態から舌先を手前に引くだけです。舌の下にある空間はそのままに舌先(舌の前半分)だけを少し手前に引いて、密閉を解除するイメージです。舌先以外(舌の後半分)の両側は着けたまま、舌先(前半分)だけを手前に引きましょう。 これが下唇系舌ウォーブリングの舌を離した状態です。この状態で音が出せるよう練習してください。この状態は上顎系舌ウォーブリングやタンギング、フラッターなどの修得にも必要です。多くの人はこの状態で躓きます。根気よく練習しましょう!

下唇系舌ウォーブリング、舌が浮いている状態

息づかいを意識し、舌を切り替える

舌の状態の確認ができたら、息づかいについて説明します。 ウォーブリング全体に共通して言えることですが、ウォーブリングをするときは息を出しっぱなしにする必要があります。ウォーブリングとは音を変える奏法です。 音が途切れてはウォーブリングになりません。練習するときは息が途切れないように注意しましょう

息づかいが確認できたら、舌を前後に動かしながら音を出してみましょう。舌を着けた状態と離した状態を交互に行うことで、音がピロピロと切り替わります。下のアニメーションを参考にしてください。

舌を切り替える

できましたか?

できない方は以下の点に気をつけて練習してください。

どうしても上手くいかない場合

  • 1.舌を着けた状態で音が出ていますか?(空間は密閉されていますか?)
  • 2.舌を離した状態で音が出ていますか?
  • 3.音が途切れていませんか?(息は出しっぱなしです。)
  • 4.意識して音高を変えていませんか?(ウォーブリングでは音高が機械的に切り替わります。)
  • 5.あごや唇、舌奥の狭めなど、舌先以外の部分が動いていませんか?(動かすのは舌先だけです)

たくさん試行錯誤してみて、どうしても上手くいかない場合は口笛無料オンラインレッスンをご活用ください。私が直接アドバイスします。

ブレスウォーブリング

ブレスウォーブリングのやり方について説明します。

 

ブレスウォーブリングとは

ブレスウォーブリングとは、息の調節をきっかけとして音を変えるウォーブリングのこと指します。舌の着け離しをする必要がないため、舌の動きによる雑音が少ないですが、逆行のウォーブリングができないとされています。 中音域・高音域での順行のウォーブリングに向いている奏法です。

ブレスウォーブリングのやり方

口腔の形をそのままに息のスピードだけ速めてみると、音が裏返るようにかすれて変化します。これがブレスウォーブリングの切り替わりです。まずは、百発百中「ピロッ」と切り替わるように練習しましょう。 切り替わるポイントは音域によって異なりますが、最初は自分がやりやすいところでかまいません。まずは切り替わる感覚を体に叩き込みましょう!

ブレスウォーブリングでは2つの異なる音域を行き来する感覚で音を調節します。下の図をみてください。ウォーブリングの「ピロッ」という音は、この2つ音域をまたぐときに発生します。

※現在記事作成中

申し訳ありません。

舌ウォーブリングにおける順行と逆行

舌ウォーブリングとは

舌ウォーブリングとは、舌の着け離しをきっかけとして音を変えるウォーブリング奏法のことをいいます。ブレスウォーブリングや、その他のウォーブリング奏法では不可能とされている「逆行のウォーブリング」を可能とします。

舌ウォーブリングの順行

通常、舌ウォーブリング奏法では、舌の動きと音高変化の向きが連動しています。たとえば、上あご系舌ウォーブリングの場合、舌を離すと音高が高く変化し、舌を着けると音高が低く変化します。 このように、舌の動きに従って自然な方向に音高を変化させることを順行のウォーブリングといいます。

舌ウォーブリングの逆行

順行のウォーブリングに対し、逆行のウォーブリングがあります。逆行のウォーブリングでは、(舌の動きと連動した自然な音高変化の方向とは)逆方向に音を変化させます。具体的には、ウォーブリングと同時に順行とは逆方向のポルタメントをかけることで、 滑らかな音高変化の中にウォーブリング特有の瞬間的な音高変化を生み出しているのです。逆行のウォーブリングのコントロールは困難であり、音の変わり目が不明瞭となってしまう場合が多いため、できる限り順行のウォーブリングで表現することがセオリーとされています。

なぜ逆行のウォーブリングが必要なのか

音の変わり目が不明瞭になってしまう逆行のウォーブリング。ならば、「逆行のウォーブリングなんて必要ないじゃないか!」と考える方も多いでしょう。 そういう方は、順行・逆行のメリット・デメリットを理解しなくてはなりません。

順行のウォーブリングには音の変わり目が明瞭であるというメリットがありますが、「音高を変化させる方向が制限される」という大きなデメリットもあります。

舌ウォーブリング時の舌の動きは「着ける」と「離す」で成り立っています。 「着ける」の後は「離す」必要があり、「離す」の後は「着ける」必要があります。順行のみでウォーブリングを行った場合、音高を高く変化させた後は音高を低く変化させなければなりません。 たとえば、ウォーブリングでド→レと上昇させた場合、その次にミの音へさらに上昇させることができないのです。これが、「音高を変化させる方向が制限される」という順行のウォーブリングのデメリットです。

このデメリットを解決する手段の1つとして、逆行のウォーブリングが使用されます。たどえば「ドレミファソ」という音形を演奏する場合は、 順行と逆行を交互に組み合わせることで、全体的に滑らかにすべてウォーブリングで演奏することができます。

メリット・デメリットを以下にまとめます。

順行のウォーブリングのみで演奏する場合
順行のウォーブリングは音の変化を明瞭であるが、音高変化の方向が制限されるため、演奏できる音形も限られる。
順行と逆行のウォーブリングを組み合わせて演奏する
逆行のウォーブリングは音の変化が比較的明瞭でないが、順行とは逆方向に音を変えられるため、順行と組み合わせることで自由な音形で演奏ができる。

ちなみに、順行を使わずに、あえて逆行のウォーブリングのみで演奏することもできます。しかし、デメリットしかないのであまりオススメできません。

舌の着け離しと音高変化、ウォーブリングの組み合わせについて

前回の記事では順行ウォーブリングと逆行ウォーブリングの特徴やメリット・デメリットについて書きました。

その中で順行のみでは3音以上の連続上昇・連続下降の音形が厳しいと書きましたが、実は、上手くウォーブリングを組み合わせることによってそれが可能となる場合もあります。

この動画をご覧ください

なぜ複数のウォーブリングを組み合わすことで順行連続上昇・連続下降が可能となるのか?それを知るためには各ウォーブリングの舌の着離と音高変化の関係について理解しなくてはなりません。

舌の着離と音高変化の関係

ウォーブリングを順行で行う場合、下唇系舌ウォーブリングと上顎系舌ウォーブリングとでは舌の着離と音高変化の関係が逆になります。

下唇系舌ウォーブリングでは、舌を着けると音高が高く変化し、舌を離すと音高が低く変化します。

それに対して上顎系舌ウォーブリングでは、舌を着けると音高が低く変化し、舌を離すと音高が高く変化します。

このおかけで動画解説にあるように順行のみで3音連続上昇・連続下降が可能になります。また、ブレスウォーブリングを組み合わせることによってさらに1or2音連続上昇・連続下降ができます。

口笛は今、ここまで進化しています

どうか、覚えてて欲しい

今回、順行3音以上の連続上昇・連続下降について、ご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?ここまで記事を読んでくれた方は相当な口笛ファンだと思います!実際、口笛ってすげーってなりませんでしたか?ここで最後に皆さんに知って欲しいことがあります。

このもの凄い技はもともと誰かがやっていたのではなく、口笛音楽理論の構築によって開発されたものなんです!私や口笛奏者のtakedaさん、くちぶえ村の村長さん、中村さん、石川さんなどによる定義付け・奏法の体系化などの議論があり、口笛仲間どうし情報交換を惜しまなかった。だからこそ生まれた技なのです。今でこそ青柳さんがこのテクニックを使用して完成度の高い音楽表現として披露していますが、もともとはこの世にはない奏法だったのです。

数々の楽器が何百年という年月をかけて進化してきたのに対し、口笛は今、急速に進化しています。これから先も、より進化した口笛を披露する名プレイヤーたちがどんどん出てくるでしょう。でもその背景まで知って欲しい。音楽としての口笛の発展には理論の構築が必要不可欠であり、そして、理論の構築に必死で取り組んでいる熱意ある者ものたちが必ずいるのです。このことをどうか覚えててほしいです。