口笛の吸奏と吹吸奏法(インアウト)

息を吸いながら口笛の音を出す吸奏と、それを利用した吹吸奏法(インアウト)について紹介します。講師はくちぶえ君です。

吸奏とは

吸奏(きゅうそう)とは、通常とは逆に、息を吸いながら音を出す口笛の基本的な奏法です。これに対し、息を出しながら音を出す通常の吹き方を「吹奏」と言います。

吸奏のやり方

吸って音を出す場合でも、基本的なことは同じです。口笛の基礎でやった①舌を固定する②ゆっくり「ひゆう」でポイントを探るを意識して練習してください。

吸奏のメリット・デメリット

吸奏のメリット

吸奏のメリットは息継ぎをしながら音が出せることです。曲によっては長いパッセージを息継ぎなしで演奏する必要があります。 また、レガートのかかったフレーズでは、息継ぎをすることでブツぎれになり、曲が台無しになってしまう場合もあります。仕方ないことですが、通常の吹奏ではどうしても息継ぎしなければなりません。こうした「吹奏の欠点」を吸奏で補うことができます。

吸奏のデメリット

吸奏のデメリットは吹奏に比べて習熟度が低い点です。私たち口笛愛好家はどうしても吹奏をメインに練習しがちなため、吹奏に比べて吸奏が下手になってしまいます。 すると、音にムラが出て、吸奏しているのがバレバレな不自然な演奏になってしまいます。

吹奏を基本に、吸奏のデメリットを感じさせない演奏を

まずは吸奏の達人をご紹介します。第6回口笛音楽コンクールの会場にてインタビューさせていただいた時の映像です。

吹いても吸ってもブレない・変わらないというのは鍛錬を重ねた人にしかできない、基礎かつ高度な口笛のテクニックなのです。

映像のような達人を除き、通常、口笛愛好家たちは吹奏をメインにしています。吸奏は最小限に抑え、どうしても必要なときにのみ吸奏で演奏します。吸奏するのにオススメなところは、単発の低音部分です。 単発なので音のブレが目立ちにくく、低音で比較的たっぷりと息を吸うことができます。

吸気タンギングという用語表現ついて

吸奏のことを吸気タンギングと表現する方をたまに見かけますが、間違った言葉なので「吸奏」という言葉を利用するようにしましょう。まず、タンギング(tonguing)とは「舌(tougue)を使って音を区切ること」です。吸奏には舌は用いないのでタンギングと言う言葉は適しません。 また、「吸気」とは息を吸うことを意味します。「息を吸って口笛の音を出すこと」という意味には適していません。ですので、奏法自体を言い表す場合には「吸奏」と正しく使いましょう!

吹吸奏法(インアウト)とは

吸奏を利用して音を細かく区切る吹吸奏法(インアウト)という奏法があります。文字通り吹奏と吸奏を交互に行うことで、速いパッセージの演奏が可能となります。下の動画を参考にしてください。

 

吹吸奏法(インアウト)のやり方

やり方はシンプルに吹いたり吸ったりして音を出しているだけですが、速く行うにはコツが要ります。暑い日に犬が舌を出して体温調節をしているように、息をすばやく出し入れするのです。お口の中(口腔内)にある少量の空気をすばやく出し入れします。詳しくは下の動画を参考にしてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。